名古屋市にお店を構えるメンズセレクトショップBristy。
現地で買い付けたアメカジ王道ブランドやショップ別注アイテムが人気のセレクトショップです。
今回はBristyオーナーの鈴木さんに、自分にとって最高の一足を聞いてみました。
ARROW MOCCASIN|Bristyオーナー鈴木さんの「最高の一足」
20年以上セレクトショップを運営している鈴木さんが様々なブランドの中から選んだ最高の一足はARROW MOCCASIN(アローモカシン)のシューズです。
分厚い革と無骨で男らしい見た目が特徴的。
すでに10年以上履いていますが、今も頻繁に履いているそうです。
ARROW MOCCASINはモカシンをメインに展開する靴ブランド
ARROW MOCCASINは知る人ぞ知るブランド。
1枚の革で包み込むように製作されるモカシンが有名です。
また、ARROW MOCCASINのシューズを製作していたポールさんはすでに亡くなっており、ブランド自体がいまはないものとされています。
ブランドの背景
ARROW MOCCASINは軍人として横須賀に来ていたアメリカ人によって作られたブランド。
戦争が終わって日本からアメリカに帰国した後、モカシン作りを始めたそうです。
その後、息子のポールさんがモカシン作りに協力。
親子二人でブランドを作り上げました。
ちなみに、創業者であるポールさんの父親には日本人の奥様がいました。
長くARROW MOCCASINのシューズを作り続けていたポールさんはアメリカと日本のハーフということです。
ポールさんには弟さんがいますが、モカシンの製作技術がないためブランドを継ぐことはできませんでした。
弟さんの話によると、ポールさんが生前に作ったモカシンが少し残っており、そちらは取引可能とのこと。
Bristyの鈴木さんもその在庫の取引を弟さんと行っているのですが、なかなか都合が合わず進展していないそうです。
ただ、ARROW MOCCASINのファンからすると、またARROW MOCCASINのシューズが購入できる希望があることは嬉しい事実でしょう。
なぜARROW MOCCASINを最高の一足に選んだのか?
鈴木さんがARROW MOCCASINのシューズを最高の一足に選んだ理由は見た目が好みということはもちろん、ARROW MOCCASINというブランド、そしてARROW MOCCASINのシューズを製作するポールさんとの深い付き合いがあったことも理由となっています。
また、ARROW MOCCASINのシューズは履いていると足に馴染んで履きやすくなる点も好きな理由とのこと。
シューズ自体は重たいですが、野球のグローブと同じで使えば使うほど自分にフィットするのでより愛着が湧いてくると鈴木さんは言います。
このシューズにはソールが付いていますが、実はARROW MOCCASINのシューズは基本的にはソールが付きません。
本当に皮一枚ですべてが覆われ、もしソールの付いたモデルを作る場合はオプションになるそうです。
こちらはARROW MOCCASINの工房内ですが、たしかに全てソールがなくレザーで包まれています。
ARROW MOCCASINとの出会い
鈴木さんはARROW MOCCASINの存在をラルフローレンが別注したことをきっかけに知りました。
存在を知った後、ARROW MOCCASINについて調べてみると、鈴木さん自身が買付を行っている場所と近いこともあり、実際にARROW MOCCASINの工房へ行ってみたそうです。
最初に行った時は工房の古さに驚いたそうで、この古い工房で生産されているブランドがラルフローレンが別注したのか、という思いを持ったほど。
ただ、完成されたシューズを見ると本当に良いモノであることは確かで、鈴木さん自身もARROW MOCCASINをBristyで販売することをスタートさせました。
信頼関係を築き別注モデルの製作へ
最初は工房の吊るしてあるモデルを注文していましたが、徐々に親交を深め別注モデルの発注にこぎつけます。
Bristyの別注モデルはツートーンやベージュの配色が特徴でBristyでも人気商品の一つだったそうです。
ちなみに、ポールさんは絶対に他店で同じような別注モデルを受けません。
そのため、Bristy別注モデルと似たデザインのシューズはどこにも販売されていませんでした。
当時、日本でARROW MOCCASINの別注モデルを販売していたのはBristyと東京のセレクトショップNEPENTHESのみ。
ARROW MOCCASINにとってもBristyは特別な存在だったようです。
ARROW MOCCASINはこれからも現役で履いていく
鈴木さんの最高の一足はARROW MOCCASINのシューズ。
やはり、最高の一足というだけあって見た目以上に大きな思い入れのあったシューズでした。
10年以上履いていますが、今後も履いていくそうで、見た目にもさらに味が出そうです。
また数年後に鈴木さんのARROW MOCCASINを見ることが自分も楽しみになりました。